13-2 校長あいさつ

  • 2018年04月06日(金)

    校長あいさつ

    principal 校長 竹井 俊久

     ホームページをご覧いただき,ありがとうございます。今年度着任いたしました校長の竹井と申します。どうぞ,よろしくお願いいたします。
     さて,本校は,鹿児島から沖縄へと延びる琉球弧の中心に位置する奄美大島にあり,世界自然遺産登録を目指す特有の自然環境に囲まれながら,旧制大島中学校以来の伝統を受け継ぎ,今年創立117周年を迎えます。これまでの卒業生は2万6千人を超え,政界・財界は勿論,芸術・文化などの分野にも,有為な人材を輩出している奄美を代表する進学校です。学校の正門には,旧制中学校時代に建立された,通称「赤門」があり,先輩達がこれまで歩んできた歴史の深さをひしひしと感じさせてくれます。
     今年度は,758名の生徒たちが「和親」「協同」「自治」「奉仕」の校訓の下,文武両道を目指して,勉強や部活動,ボランティア活動等に積極的に取り組み,活気溢れる学校行事と合わせて,充実した学校生活を送っています。
     今後は,国際化・情報化が急速に進む社会の中で,大高生が持つ直向きな心と,郷土を大切にする心に,高い学力と国際性を育み加えながら,地域と日本の明日を創るグローバル人材育成に取り組み,地域の期待に応えられる学校づくりを目指して参ります。
     保護者の皆様や同窓会の皆様方のこれまでのご尽力・ご協力に感謝申し上げるとともに,このホームページをご覧の皆様にも,温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

  • 2018年04月06日(金)

    平成30年度1学期始業式式辞抄

    現在の社会情勢は,日々変化しています。そのため,社会や大学においては,日々変化する状況を正確に把握し,課題解決策を積極的に提案する人材,つまり,状況の変化に臨機応変に対応できる「アドリブ力」のある人材が求められています。逆に,言われたことしかできない「マニュアル人間」は必要とされない時代です。この流れで2年後にはセンター試験に代わり大学入学共通テストが導入され,大学入試も大きく改革されます。すでに国公立大学を中心に入試問題にも課題解決型の問題が出題されるなど,変化が見られます。
    このことから,本校でも社会が求める人材,そして新たな大学入試に対応するため,総合的な学習の時間にST(サクセスタイム)講座を受講してもらい,課題研究を通して自分の未来を考えるキャリア教育を実施したり,授業改善の一環としてALを取り入れたりしています。
    今年度皆さんに求めたいことは以下のとおりです。しっかりと受け止め胸に刻んでください。
    1つ目は,一歩先取りした姿勢で,自ら求めて学ぶ態度を身につけてください。これからは自ら課題を探し,仲間と協働しながら解決策をまとめ上げ,自分の考えを相手に理解してもらう能力が大切になります。受け身の学習やうわべだけの学習をするのではなく,自分から物事の本質を掴み取る学習をしてください。
    2つ目は,人としての魅力(人間力)を磨いてください。具体的には,高い目標に立ち向かう勇気を持つ,自分本位な行動は慎み責任を持って行動する,規則は誠実に守り,礼儀をわきまえ他人への思いやりの心を持つ等の,正しい規範意識を持つことです。以前企業の人事担当者と話をしたとき,どういう学生を採用したいですかと聞きました。すると「チームワークが取れる人」と言う返事が返ってきました。企業では,若手も交え,色々なアイデアを出し合い,コミュニケーションを図りながら新商品を開発しています。先程述べたサクセスタイム講座での課題解決型の学習で身につけた学力と人間力は表裏一体の関係です。両方の力をつけることが社会で活躍できる人材となります。
    皆さんは成長途上にあります。学力も人間力も自分の努力で大きく伸ばせます。その方法は一つではありません。授業,学校行事,部活動,ボランティア活動など全ての学校生活活動に真剣に取り組むことが何より大切です。
    来週は新1年生を迎えます。皆さんは上級生として後輩がわからないことを教えて,良い方向に導いていってください。大島高校の新たな歴史や伝統を自分たちが創るという気概を持って,この一年間頑張ってください。
    以上,第1学期始業式の式辞とします。

  • 2018年03月23日(金)

    平成29年度修了式 式辞

    以前,行く1月,逃げる2月,去る3月と紹介したことがあるが,三学期も含め,平成29年度も,あっという間に終えようとしている。感動的な卒業式を終え,高校入試,ST発表会,合格体験を語る会,クラスマッチと3月だけでも,様々な行事があったが,節目の日として今年度を振り返ってほしい。昨日も話したが,本校の「伝統」ということを語るときに,親和性・主体性ということを抜きには語れない。仲間達と共に,自分がどう関わってきたかと言う観点で振り返ってみてほしい。繰り返される定型の行事でも,異なった観点から,自分の立ち位置から見つめ直すことで年々の彩りをそえて,独自の記録が残されていくと思う。本日,修了式を迎えるに当たって,皆さんは,単に一学年が終了するということ以外に,どんな独自色を連想するのだろうか。
    総括的に,年度当初皆さんにお願いした三つのことについて,再度振り返ってもらいたい。まず「自律」ということ。自己の甘える心との戦いに,勝利出来ただろうか。
    朝の登校状況が良くなったと話したが,毎朝7時25分過ぎに登校する生徒はほとんどいない状況ができている。更に進めれば,その時間を,あるいは課外後の朝勝の時間を自律した姿勢で送れてきたかということも含めて,振り返ってほしい。同様な見方は,各授業で,清掃で,部活動,その終了後の下校で,応用していけば取り組むべきことは多々あるとも思う。改めて自分のなすべき事を,自分にしっかり課し,主体的に取り組むべく努めることをお願いしたい。あるOBから伺った話で,先日の合格体験の会でも似たようなことが語られていたが,在学中,一人だと怠けてしまうので,学習時間を確保するために,県立図書館を利用したりして自学出来る環境を工夫したというものがあった。実は自律は孤独なものでは無く,仲間も意識しながら,他律の要素も含めながらより磨いていけばよいと思う。
    次に「不屈」ということ。先日の合格体験を語る会で,貴重な経験を卒業生が話してくれた。どれも,「不屈」という観点からも参考になる意見ばかりで,改めて,取り上げるまでもないと思う。しかし,敢えて話しておくと,実は,あの会以降も国公立大学合格を勝ち取った先輩もいたということも忘れてはいけないと思う。後期日程の合格発表があり,そこで8人の合格が出た。モチベーションや学習方法の話も出たが,粘り強く最後まで事に当たるんだという気持ちは,やはり忘れないでほしいと思う。二学期の終業式でも話したが,折れないための柔軟さ,換言すれば,自分の考えに固執しない,人の助言に素直に耳を傾け,積極的に変わろうという姿勢も大切だ。これも,以前紹介したが,哲学者ニーチェの「脱皮しない蛇は死ぬ」という言葉は,部活動も含め,様々な取り組みに当てはまるものだと思う。折れない意識と,変わることを恐れない,むしろ,それが進取の精神につながるという意識を共に持ってもらえればと思う。
    三つ目の「抱負」ということ。改めて言うまでもなく,今の時期の君たちには最も大切なものである。最近,校門を入って横に目を向けると,書道部がこの抱負を大書している力強い文字を目にし,今後を楽しみにしている。大志を抱けということばかりを強要するつもりはさらさらない。しかし,自分の立ち位置を確かめながら,どうすれば自分が活かされる人生を送れるのかということは,常に問い続けてほしい。これも繰り返し述べてきたが,それが利己的なものではなく,利他の精神にも裏打ちされた,世のため人のためという意識であることを,強く望みたい。
    年度当初にこの三つを紹介した際に,校歌から引用していることは述べたが,校歌も含めて,全てが大好きな大高が更に発展していってほしいという願いは変わらない。個人的には,校歌の歌詞の中でも三番が大好きであり,敢えて見てもらいたい。「新川のせせらぐほとり,春秋の幸みつ学園 誇りあるその名かざして 天かける 抱負の翼 南の光と勢い 見よ進む 大島高校」
    こうして,皆さんの前で式の式辞を話すのは最後になる。まだまだ求めていきたいことは沢山有り,正直心残りもあるが,卒業文集「あゆみ」でも触れた,皆さんには語りたい雰囲気がある。可塑性に富んだ,人間力豊かな皆さんである。だからこそ,更に思索を深め,「大高フィロソフィ」と言える,人間学・人生学を磨いていってほしい。そのためにも,大高は「鍛える場」である「勉強するところ」であるということを忘れないでほしい。

    さて,4月からは,それぞれが進級して,今年とは異なる意義と役割を持つ。
    3年生は最高学年として,リーダーとしての役割を持つと共に自分の進路を決定する時期を迎える。ある意味で人生のターニングポイントなるはず。
    2年生は学校の中核的役割を果たし,学校行事や部活動の牽引力となり,学校を支えていくことになる。合格発表や,合格者集合を見て,先輩となる意識もそれぞれ持ったのではないか。
    始業式まで,次の学年への準備をしっかりと行い,目標と計画を立てて新年度を迎えてほしい。真の大高生となる営みを更に高めて,平成30年度が,一皮むけた大高となることを祈っている。各人の更なる奮闘を期待して式辞とする。

  • 2018年02月26日(月)

    全校朝礼講話

    学年末考査も終わり,今週木曜日には,卒業式も控えている。いよいよ今年度も終盤を迎えているが,考査の反省を含め,それぞれで次の目標を明確にして取り組んでもらいたいことも多い。今朝は,そのことにも繋がる二つの先輩の例を話したい。
    一つは,先日の新聞誌上でも紹介があった,本校一期生の新島義龍先生のご遺族から写真集が寄贈されたことである。「琉球列島の植物に魅せられて」という題名で,図書館と生物部に渡してある。奥様や娘さんが直接来校して,お話もお聞きしたが,私がこれまでお会いした,安陵の先輩方と共通する思いを,その話でも感じた。それは,愛郷心であり,出会いを大切に重ねてきたが故の母校に対する熱い思いである。先生は,大高卒業後,琉大に進学され,その後沖縄県内の高校で生物の教師として教鞭を執られ続けた。今回の写真集は,教え子たちが,その業績を残したいとして発行したものだということだった。お話の中で,「奄美は家族にとって近い場所だった。」と語られたことも印象的で,学究の傍ら毎年二回は長期帰省を行っていて,非常に愛着があり,そのためにも,大高にまず寄贈したいとのことだった。生物部を初めとして,有効活用してもらえたら先生やその教え子たちも喜ばれると思う。
    もう一つの例は,ほぼ時を同じくして,本校19回卒のある教育長さんから,お手紙と本をいただいた。内容は,現代学生百人一首で本校が学校賞を受賞したことを新聞記事で知り,嬉しく思い送られたということだった。これも,図書館に配置しておくが,その中に記載されていたエピソードで興味深いものがあった。それは,ご自身が高校1年の時に,担任の先生が,鹿児島県の県鳥を鶴にするか,ルリカケスにするかで,大詰めにきている,そこで,ルリカケスになるようはがきを出そうと呼びかけ,クラス55人全員に葉書を配り書いて出した,後日ルリカケスに決まった知らせで,教室が沸き返ったというものだった。後日談でも面白いものが,書かれていた(カラーテレビ化への先駆けを提案理由に書いた同級生)が,何より興味を引かれたのが,県の象徴を決めるということに,頼まれもしないのに当事者意識を持って行動に移したということだ。身近な出来事に対してさえ,「どうせ無理」と引く若者がいる残念な風潮のなかで,動くこと,関わろうとすることは,大切だと改めて思う。先日生徒会が,笠利大火への募金活動を行ってくれたが,周囲を見渡せば,自分たちも関われるものというのがあるのではと思う。君たちは,個人としては意識はあると思う。それを具体的にどう動かしていくかを,先生方など周りとも相談しながら進めてもらえばと思う。これから先の社会で問われる力を身につけていくためにも,知識を武器にしながら,実践を積み重ねていく,そういう意識が,進路開拓にも繋がっていくものと考える。
    卒業式には,その教育長さんの同級生にあたられる方々が参列される。式に参加する諸君も,一番は三年生に対する思いで望んでほしいが,時空を超えた推測もしてもらえたらと思う。

  • 2018年02月13日(火)

    全校朝礼講話

    金曜日は,30km遠行ご苦労様だった。先程表彰した皆さんだけでなく,それぞれが自己の努力に対してそれぞれで表彰をしてもらったらとも思う。路上での姿や給水場,そしてゴールなど,皆さんの姿を見ていると,それぞれ頑張ってくれていたのではと思うが,自分の取り組みに対してどう評価するかは,自分自身だと思うので,賞賛か叱咤激励か,それぞれ内面で行ったらいい。
    日常では考えられない距離を走った後に残る感情で,よく連想する言葉が一つある。それは,JSミルの言う「満足した豚よりも不満足なソクラテス」というものだ。功利主義者である考え方で,社会全体の幸福は,社会全体で快楽の大きいことこそ善であるとする考え方を発展させたもので,求めるべき快楽には質的な差違があるということを象徴的に顕したことばだ。換言すると,豚に30km走らせても,疲労感しかないが,考える人間であれば,疲れたけど達成感を得られたといったものになるのではないかということだ。ミルは19世紀イギリスの思想家で女性の地位向上を図るなど社会全体の幸福増進の考え方の中で,このような思想を展開させているが,諸君の普段の生活でも,同様に考えられる場面があるのではないかと思う。様々な選択肢の中で,楽をとりがちな部分がある。逆に,これが役に立つのではと思い取り組んだが徒労に終わってしまうという例もある。しかし,本質の部分,ミルの言葉を借りれば,質的に高いものを求めていけば,そこで得られる喜びの大きさもより大きくなるということではないだろうか。以前,「楽」と「楽しさ」は大きく異なると話したことがあるが,「楽しさ」には,きつさ故にそれがより増すという部分もあると思う。もちろん,根底には,利己の,すなわち自分だけの幸福であってはならない。校訓の精神を忘れてはならないとも思う。それぞれが,体験したことを次に活かすのがなにより重要でもある。
    さて,1,2年生だけで初めての全体朝礼になる。高校入試では,先週行われた推薦入試,現在出願受付中の一般入試も含めて,新入生の動きがいよいよ佳境に入る。この時間,前期日程に向けて,教室で学習している三年生も多い。二週間後に迫った前期試験で,力を発揮してくれるものと期待しているが,皆さんも改めてそれぞれ次年度のゼロ学期としての認識を持って,それぞれの取り組みに勤しんでほしい。
    遠行の時とは異なる寒い朝だが,春もすぐそこに来ている証拠でもある。皆さんの今後の健闘を期待する。

  • 2018年01月22日(月)

    全校朝礼講話「結いの精神・伝統の誇り」

    おはようございます。三年生のセンター試験も終わり,先週末の進路判定会を経て,二次試験,私大入試の具体的な日程が固まる時期になった。特別授業も始まり,全学年揃っての朝礼も残りわずかとなっているが,今朝は,そのことも踏まえて,少し話をしたいと思う。
      一二年生は,先週地区の高校文化祭があり,全員参加してもらった。各校の文化系の部活動生が中心となって運営されていたが,感動させられるものが多かった。本校の放送部や吹奏楽部の発表はもちろん,クライマックスの全員合唱など,参加した皆が,常々求めている自分なりの感じ方をしてくれた機会だっただろうと思った。
    個人的には,大島北高の吹奏楽部と沖永良部高のエイサー部の発表で感じることがあった。前者は,ドラムを披露した生徒にとって,観客の大歓声に後押しされての素晴らしい演奏はきっと一生心に残るのではということが,後者は,伝統芸能を受け継ぐ人数が決して少なくない,しかもアトランタオリンピックでも披露された伝統は,きちんと受け継がれているということである。
    全校生徒揃っての残り少ない場で,あえて言いたいことの二つが,ここには含まれていると思う。前者の場合,校訓の精神でもあり,奄美の誇るべき結いの精神である。簡単に言えば,君たちのノリの良い応援が後押しして,素晴らしい演技が出来たのではと思えたということだ。様々な場面でも見かけるが,仲間のことが大好きで,いざというときには集中して取り組める,この良さを十分発揮できる日頃の在り方を再度考えてほしいと思う。逆説的な言い方では,特別な日のハレは頑張るが,普段のケは何もしないということにならないことをお願いする。
    後者の場合,「伝統」の力である。メジャーな部活動でないものに多くの生徒が関わり,高いレベルの力を発揮し続けることには,間違いなく伝統の力があると思う。周囲からの目も含めて,様々な発表の場も併せて発揮し続けるのだろうが,「伝統」の力とは,簡単に言えば「誇り」である。プライドでも矜持でもいい。君たちには創る伝統,攻める伝統と口にしてきたが,見られることを意識して,「あー,大高生やっぱり違うや」と言われる行動が出来るかということだと思う。決して安住しない意識で,いい意味で大高生の誇りを胸に,主体性を持った行動を期待したい。
    各学年とも,それぞれの立ち位置で取り組むべきことは異なると思うが,現時点だけで無く,今後も意識してほしい「結いの精神」「誇り」ということについて再度お願いして,それぞれの今後の取り組みをより充実してほしいと思う。

  • 2018年01月09日(火)

    三学期始業式式辞

    あけましておめでとうございます。

      天気にも恵まれた正月もあけ,皆さんはどう迎えただろうか。毎年のように繰り返される行事も,自分の立ち位置によって感じ方は異なると思う。よく例えとして,一年前の自分,一年後の自分が引用されるが,気持ちを新たに,それぞれの取り組みに勤しんでほしい。冬休みに入ってすぐ,生徒会執行部の諸君と一緒に奄美復帰記念式に参加したが,その中で,名瀬中2年生が象徴的な発表をしていた。新聞にも紹介されていたが,それは「64年前,復帰運動に携わり,復帰を喜んだ先人たちに,今の奄美の姿はどう映るだろう」といった内容であった。新年の報道の中でも,今年は,世界自然遺産登録があり,大河ドラマも相まって,より奄美が脚光を浴びる年であるとされているが,奄美に住む一人一人の意識として,奄美の発展にどう寄与していくのか,どう生活していくのかを投げかけた感想は,我々を含めて,再度それぞれが感じてほしいことだと思う。
      もっと言えば,時間の区切りを意識させられる時期だからこそ,時間を超えて見る自分,見られる自分,見られるに値する自分作りに取り組んでもらいたいと思う。終業式でも話した,いろいろな人に出会って,その幅を広げてもらえればと思う。
    同じような感想を,今年の奄美市の成人式でも感じた。それは,会の前に流された映像と歌詞の中であり,次のような歌詞だ。
    ぼくらは未来に何が残せるだろう。何を残せば生きた証なのかな。僕らのつむぎだす情熱が,誰かの明日を変えるかもしれないから 感じるままに まっすぐにありのまま解き放つこの心 あふれる思い詰め込んで 未来までつなげよう 僕らのタイムカプセル
      いうまでもなく,一昨年の国民文化祭のテーマ曲で何度も耳にしたカサリンチュの歌詞だが,同じような思いが歌われていた。今の取り組みを検証しながら前を見て,未来へつなげる,自分の事だけでは無く,誰かのためになるものとして,そういった生活の仕方を再度心がけてほしい。
    とはいえ,三学期は,あっというまに駆け抜けていく。三年生は,このあと,センター試験への激励会も控えているが,いよいよ今週末から決戦が始まる。悔いの無いよう,それぞれが取り組んでもらえたらと思う。一二年生も含めて,今学期は,校内外の試験が目白押しである。過去との対比の部分では,高校入試も控えており,早いところでは今週末から県の新人大会が始まる。また,来週には,地区の高文祭も行われ,1,2年生全員が鑑賞する予定でもある。常々話している,自分に刺激を与える機会は,直接的であれ間接的であれ,多く転がっていると思うので,今学期も更に自分を高める機会を多く設けてほしいと思う。
    特に,年度当初に求めた事の中で,「不屈」ということに着目したい。文字通り受け取れば,非常に強いイメージを持つ語だが,敢えてその逆の面を強調したい。一年生には,冬の講座でも話したが,不屈に必要な柔らかさ・広さということだ。競技者として伸びる要素として多くの指導者が共通して上げるものに素直さがある。これは,芯をしっかり持っていることとは別に,助言に素直に耳を貸す姿勢のことだ。自分が現実に直面している壁に対して,現状の不満を嘆くことよりも,視野を広く持ち,様々な取り組みを受け入れることだと思う。先程の話ではないが,時間軸だけで無く,主観の部分も意識すればより広げることができる。その結果として,頑なな考え方が,和らぎ,大きく成長することは良く耳にするケースである。「不屈」とはそういった柔らかさに裏打ちされたものであってほしいと思う。八方美人は良くないかもしれないが,多くの意見を取り入れ,自分の成長に繋げていくことは必要な事である。そうして,いつも求めているが,それをきちんと実行していくことだと思う。

    生徒諸君が,今年も自分の道を力強く歩いて行くことを願い,年頭のあいさつとする。

  • 2017年12月22日(金)

    二学期終業式 式辞

    おはようございます。

    大掃除ご苦労様。今年も一年間の埃をきれいに洗い流せただろうか。日本人の美徳とする「清き明き心」を再認識する機会として,それぞれがいろんな意味の埃を払って次のステージへ進めたらと思う。
    終業式ということで,2学期をふりかえる話が出来ればと思うが,校門横のフォトニュースの表現では,「大高スピリッツ~伝統刻んだ二学期」となっている。体育祭で始まり,部活動の地区大会,NPS,京都賞講演会,弁論大会,武道・ダンス大会,公開授業等多くの行事もあった。それぞれの刻みの中で,新たな心象を振り返ってほしい。二学期当初に,それぞれが為すべきことを考え,粘り強くそれに取り組んで貰いたい,様々な機会を捉えて,主体性を磨き,視野を広げてほしい,能動的な学びを勧めると話したが,どんな学期だったか。それぞれ「自律」「不屈」「抱負」の営みは出来ていただろうか。校門横の写真や,先程の表彰など,今学期も,それぞれの場面で活躍してくれた諸君が多かった実り多き学期だったと思う。

    個人的に印象に残っていることとして,素敵な挨拶の出来る生徒が増えたということがある。部活動単位でなされているなと気付くのだが,立ち止まり,深々とした礼をしてくれると,温かい気分に包まれる。先日,娘さんが福山型先天性筋ジストロフィーという難病で,12歳前後までしか余命が無いと診断された母親のエッセーを読んだ。その中で,自分勝手に,まだ起こりもしない未来のことに気を病んでいる自分のことを,娘の笑顔が救ってくれたというものがあった。ネガティブからポジティブへの転換で,自分も周りも変わっていく姿は,心動かされるものだった。その母親が,娘と向き合いながら大切にしたい言葉として,「when you smile the world will smile back at you」というものがあると述べている。笑顔で向き合うことが,自分だけでなく周りも幸せにするという考え方は,互いに素敵な挨拶ができあう関係にも通ずるものだと思う。
    一方で,苦言を呈したい状況もある。笑顔でごまかすことは,別だということ。困難に際して,前向きな気持ちでの笑顔は良いが,なすべきことに向き合うことを避けるための笑顔は良くないということ。今年求めていることで言い換えれば,自己の抱負をきちんと認識した上で,不屈の姿勢で,自律した営みを行っているかということだ。775人いれば,775通りの抱負があり,取り組みも異なることは理解しているが,成果をあげられた人は,笑顔の裏の厳しさにきちんと向き合えた人だと思うし,だからこそ意味のある笑顔でいられると思う。体育祭での,百足競走や応援団演舞の後の涙も良いが,目標を達成した仲間での笑顔もまた良い。笑い合える新年が来ることを祈っている。

    年末年始は,慌ただしく過ぎていくが,3年生にとっては センター試験まで21日となった。例年のことだが,世相を超越して,直前まで努力を継続し,笑い合える結果を残すために,直前の時間を送ってほしい。1,2年生には,年末年始の外からの刺激を成長の糧にしてほしい。多くの帰省する人との出会いで,自分の道を見つめ直してほしい。世間こぞって新たな始まりを祝う 1月という年明けに新鮮な気持ちで臨めるのだから,そんな意味でも反省をし,新たな決意を胸にすべきだと考える。

    一つ,お知らせをしておく。この冬休みから,全教室のクーラーの更新を行う。平成15年に設置してから初めての更新になるが,この事業にも,安陵会からご支援いただくことを知っておいてほしい。「伝統」を物心両面から支えてもらえっている安陵会員に,君たちもなることも心に銘記しておいてほしい。
    繰り返し述べるが,大切なのは,行動に移すということだ。知行合一だ。可能性を秘めている今だからこそ,意識を創り,それを具現化する行動様式を身につけてほしい。
      皆さんが,行動する人(アンガージュマン)となれるよう話した。新しい年に,それぞれが飛躍することを期待し,終業式の挨拶とする。

  • 2017年12月11日(月)

    全校朝礼講話(校訓について)

    二学期も残すところ二週間となった。世間でも師走の慌ただしさ,年末年始に向けての軽佻浮薄な雰囲気があるが,それぞれ締めくくりの意識をしっかりもって過ごしてほしい。
      さて,○年○組の委員長に聞く。校門入ってすぐの建物を何というか。
    そう,和親館という。今朝は,デジャブな話になるが,校訓のことを話したい。何故話すのか。君たちも知っている通り,学校生活の自己評価をしてもらっている。その中で君たちの評価が低かったものの一つが「校訓を知っていてそれに向かって努力する」だった。意外な結果だったので,少しまつわる話をしたい。校訓の「和親・協同・自治・奉仕」は,非常にユニークだ。県内の高校の校訓を調べたことが以前あるが,自主とか自律(二種類ある)友愛などといった表現が多かった気がする。この校訓を定めた人も和親館前にある銅像の一人龍野定一先生である。先生は大正13年に若干36歳の若さで本校校長に着任され,6年半の間校長を務めている。この人の前職は隣保館といい,社会更正施設であることから推測できる通り,その当時の大島中学校は,混乱して廃校の危機にある状況であった。資料を見ると,生徒のストライキや,傷害事件,などひどい状況であった。それを立て直したのが,この龍野校長である。
    大正13年9月の講話から (校長在職は 大正13年8月~昭和6年2月)
    まず「和親」諸子に望むところのものは常に仲よくせよということである。和親の二字を忘れないことである。全校の生徒が一体となって仲よく暮らしてくれることが第一である。 次に「協同」 ともに力を合わせて,助け合って仕事をすること。皆の者が相和し親しくなると人は必ず協力するに至るものである。兄弟でも友人でも仲のよい者の助力加勢は頼まれなくてもせずには居られぬものである。
    そして,「自治」つまり,自分で自分のことを処置する。人よく相和し相親しんで真の協同の精神に生きると,必ず自治の生活に入るものである。常に助け合った兄弟や友人は,必ず出来るだけ自ら事を処して他の助力をまたないものである。和親は協同を生み,協同は自治を生む。そして,最後に「奉仕」自分のことが自分でできるようになれば,その生活に自らにして幾多の余力余裕が生まれてくる。この余力余裕を誰の為というでもなく,また頼まれてするというのでもなく,自然と皆の為に図り公共の為に尽くす心がわいてくる。それが奉仕である。
    人よく和親ならば自ら協同,よく協同して得て初めて自治,自治にしてよく奉仕に至ることが出来るものである。
    我が校訓は 一人の青年として「自主・自立」の心構えとその過程を表したものだと考えられる。人間としての成長を,分かり易く説いたものだ。
    学校生活の中で,まず 「仲良くしているか」そして,「助け合って仕事をしているか」「自分のことは,自分でできるようになっているか」「他の人のために,社会のために働こうとする意思が出てきているか」そんなことを考えて,高校生活を送っていれば,校訓に向かって生活していることになる。
    終業式の日のLHRで二回目の自己評価をしてもらうが,外にも見直すべき点は多くあると思う。校訓の精神も踏まえながら,再度自分たちの生活を振り返り,次に繋いでくれることを期待する。

  • 2017年11月06日(月)

    全校朝礼講話(多様性の優位性)

    11月の訪れで,さすがに奄美でもすっかり秋めいている。
      ○○の秋という表現が多くある通り,いろんなことをするのに適した季節になっていると思う。今朝は,この後,九州大会に出場する空手部の壮行会を行うが,部活動に励む皆さんの代表としても精一杯力を発揮してもらえたらと思う。全国大会への切符も期待しながら,実りの秋の収穫を応援したいと思う。
    空手部に限らず,様々な場面での大高生の活動を思うときに,共通して感じることがある。それは,「生物多様性の優位性」ということだ。先週末の弁論大会でも,多くの異なる意見が発表された。仲間を大切にしたい思い,悔い無き人生への取り組み,自分の夢への決意など,それぞれに自分の経験や思いを踏まえての立派な発表だったと思うが,異なる様々な意見・活動を目にすることが,より人としての幅を広げさせることにつながることは言うまでもない。必要な事は,それをどう理解して,自分の中に取り入れ,実践していくかということである。今の時期の大高の夕べを受験体験記で紹介したことがある。様々な部活動の喧噪や,静寂の空間での黙学,個別指導での面接・小論への取り組みなど,様々な熱心な取り組みが見られる。目的は多様である。参加している各人も多様である。だからこそ,単一的な取り組みだけでは無いプラスαがあるのではないかと紹介した。「多様だからの優位性」とはまさにそういうことだと思う。
    異なる立場に目を向け,理解することが,様々な問題への対応にもつながる。先の弁論でもあった仲間,感謝,平和,健康などいずれにもつながることだと思う。同時に,多様性の優位性を発揮させる上で大切でかつ君たちにはここまでの生育である程度身についている「社会的動物性」も忘れないでほしい。「結」の心である。理解し協同して自らの生活を律し,世のために尽くしていく,まさに校訓の精神にもつながることである。互いにプラスになる刺激を与え,より高次の目標を目指していってほしいし,そして最も大切なのはそれが行動にきちんとつながることである。知行合一の実践で,更に人間磨きに励んでほしい。多くの諸君の実りの秋を期待する。