◆4 校長室から

  • 2017年10月02日(月)

    全校朝礼講話

    おはようございます。先程の各部への表彰で,8つの部が優勝旗を持ってきてくれた。また,北村さんは県1位という素晴らしい成績も修めてくれた。健闘したそれぞれの部の栄誉をたたえると共に,悔しい思いをした部も含めて,更にステップアップした県大会等での活躍を期待したい。
    今日は,主に三年生に向けての話になるが,一二年生も必ず通る二つのことについて話したい。一つは,今週木曜日予定されているセンター前百日集会に関連して。当日参加できないが,三年生諸君は,いよいよだという気持ちであろう。オプティミズム(楽観主義)とペシミズム(悲観主義)の例えではないが,100日もあると考えるか,100日しかないと考えるか,取り組み方も違ってこよう。共通して言えるのは,地に足を付けた諦めない取り組みを続けてほしいということである。必死に取り組み続けて,成果が出始めるのは3ヶ月はかかるとよく言われる。既に成果が出始めている諸君はいいが,そうではないという諸君もぎりぎり間に合う時期である。いずれにせよ,自分の「抱負」をしっかり見つめ直し志を磨き上げる取り組みを続けていってほしいと思う。先程の部活動にも言える話だが,「学問に王道なし」と言われる所以を感じながら頑張ってほしいと思う。
      もう一つ。時間がないので,簡単に述べるが,遠くて近い政治の話。世間では衆議院の解散総選挙が盛んに報道され,具体的な候補も含めて,マスコミを賑わしている。三年生には,以前18歳選挙権の話をしたことがあるが,実際に18歳になり有権者となった諸君は当事者となったわけで,再度,主権者としての自覚ある行動をお願いしたい。以前話したことと重なるが,国民の権利の行使時期が早められたことは,社会と自分との関わりを考えられる好機だととらえ,主体的に考え行動してほしい。と同時に,法の対象者になることから生じる義務もしっかり理解して,間違っても違法行為等で後悔することのないように注意してほしい。三年生には,配布した資料集「私たちが拓く日本の未来」を時間を見て目を通し,参考にしておいてほしい。一二年生には,今後学習する機会を設ける予定だが,当然自分たちにもやってくるものとして考えてもらいたい。
    いずれも,必ずやってくる二つのことについて話した。いつも言っているが,いずれも各人の,主体的な知行合一を期待する。

  • 2017年08月28日(月)

    二学期開始式式辞

    おはようございます。

      長期の夏休みが終了し,本日から第2学期がスタートする。先週から課外も始まっており,体育祭直前の週で慌ただしい中での開始だが,気持ちを新たに,節目の日として意識してほしい。

    一学期終業式でも話したが,夏休み中も様々な活動の場があり,日頃とは異なる体験を重ねられた諸君もいただろう。また,台風の際に,久しぶりに自然の驚異を感じた諸君もいただろう。幸い大きな被害はなかったようだが,部活動で登校していた生徒に協力してもらい後片付けに取り組んでもらった。改めて感謝したい。夏の活動の中で,この後表彰もするが,一年生の積君が,県ビブリオバトル大会で優勝し,1月の全国大会出場を決めた。二年連続して本校代表が準優勝していただけに,価値ある優勝だったと思う。大会の直前まで練習に当たっており,努力は実ることを実証してくれたと思う。外にも,様々な成果や,経験があったのだろうが,新学期を迎えるにあたり,この夏のニュースの中で個人的に印象に残ったことを一つ紹介したい。

      それは,白人至上主義者とその批判者の衝突に対するトランプ大統領の姿勢に批判がある一方で,オバマ前大統領のツィッター投稿に史上最多の「いいね」がついたというニュースだ。中身は,南アフリカの故マンデラ大統領の自伝を引用して「肌の色や出自,信仰を理由に生まれながらに他人を憎む人はいない」としたもので,「人は憎むことを学ぶ。憎むことを学べるなら愛することも教われる」と続けている。これは,我々の考え方に大きな示唆を与える言葉だと思う。人権や差別ということだけではなく,我々の思考パターンは学ぶことから形成されるということは改めて言うまでもない。君たちの中で,自分の現在の考え方というのは,自分の個性から自然発生すると考える者がいたら大きな間違いである。言葉にしても,行動様式にしても,生まれたときからの集積で現在の君たちがあるということ。もっと言えば,将来像も,自分の周囲から学んで創られてきているということで,周囲がどこまで広がっているかの個人差も大きいということである。白人至上主義の周囲の中で,その枠を超えて見ることをしないと,憎しみの再生産を繰り返すだけだということを,直接的にはオバマ前大統領は言いたかったのかも知れない。ただ私には,広く学ぶことの重要性を強く感じさせられたニュースだった。

    学ぶことの先には生き方がある。生き方について,哲学者森信三の表現に次のようなものがある。「人は生まれ落ちた瞬間に全員が天から封書をもらって来ている。その封書を開けたら,あなたはこういう生き方をしなさいと書いてあるそうだ。しかし,残念なことに,多くの人がせっかく天からもらった,それぞれの封書に気づかず,一回も開けないまま人生を過ごしている」
    皆さんの生き方はどうあるべきなのか,封書の存在を意識してみようとするか,よく考えてほしい。今年度取り組むべきこととして上げた,「自律」「不屈」「抱負」についてもそのことと結びつけて,あるべき姿を考えてほしいと思う。

    さて,新しくスタートする2学期は,一週間後の体育祭で始まる。「日本一の体育祭」と評する人もいる。必死で取り組んでいる姿を見るからこそ,そのような評価をしてくれるのだろうが,当日の,大高生らしい溌剌とした演技や競技を期待する。同時に,2学期は,すべての学期のなかで最も長い時間がある。ものごとを完成させていくに最適な学期だ。それぞれが為すべきことを考え,粘り強くそれに取り組んで貰いたい。1・2年生には,様々な機会を捉えて,主体性を磨き,視野を広げてほしい。そのためにも,様々な学び,能動的な学びを勧める。
      3年生は,この夏は,今までの夏とは違うとの認識で過ごした自分がここにいるはずと思う。受験生として今まで以上の努力をし,この学期に受験を迎える諸君もいるだろうし,まだまだこれからと考える諸君もいるだろう。悔いのない結果を残すために,大いに奮励して欲しいと思う。
    この2学期の諸君の勉学・部活動等への健闘を大いに期待する。

  • 2017年07月20日(木)

    一学期終業式 式辞

    一学期の最終日ということで,大掃除で爽やかな汗をかき,先日のクラスマッチや新生徒会の役員認証,更にジェイコブ先生とのお別れと,節目の一日が慌ただしく過ぎている。この後,各クラスでも今学期のまとめをすると思うが,それぞれが個人としてもしっかり総括してほしいと思う。学校全体として「創る伝統・大高生になる営み」の1/3が過ぎる。上手くいっているのか,課題が残るのかは,二学期更には学年末を待たなければ評価は出来ないと思うが,途中経過としては,順調にスタートしていると思っている。登校状態がこれまでと比べ,良くなって,7時30分ぎりぎりの登校がほとんどいない状況やいつ通っても埃が落ちていない階段など清掃が良くなされている状況もある。部活動でも,様々な部が活躍してくれ,力をもらえたとも思う。
    一方で,年度当初に掲げた「自律」「不屈」「抱負」という点について,それぞれで,確認してほしい。実は,順番を変えて言えば,芯になるべきは「抱負」であり,その部分が不安定である限りは,1学期の反省も出来ない。具体で無くとも,具体を求めて,自分を高める取り組みがなされていれば,抱負を持った活動だといえる。ただ,よりモチベーションを高めるには,具体があった方が望ましい。「抱負」を具体化する一助になるこの夏のイベントを紹介する。二年前から本校で行われているが,「オックスフォード×奄美」がそれである。本校生とオックスフォード大の日本語専攻の院生とが意見交換を行うもので,特筆すべきは,オックスフォードの方々の国籍。実に多岐に富んでおり,二年前参観したときには,英国以外に南アフリカやポーランド,リトアニアの若者がいた。今年も,イギリス以外にオランダ,インド,韓国などの人が来る。国際関係を学びたい,海外へ活躍の場をという人はもちろん,国際的な視点で奄美のことを語る会なので,地域への貢献を考えている人にも最適なイベントだと思う。多くの諸君の参加を呼びかけたい。同様に,現役の関東・関西の大学生が島キャンとして離島で二週間程度生活する中で,本校生と意見交換する会も8月下旬に予定されている。どちらもまだ参加希望は間に合うそうなので,どしどし参加してほしい。この夏にオープンキャンパスの参加予定の諸君も,多くいた。形はいろいろだが,視野を広げ,抱負を抱けるそんな夏にしてほしいと思う。
    「抱負」を実現するための方法としての「自律」心構えとしての「不屈」についてはどうだったろうか。自立ではなく自律としたのは,本校の伝統を踏まえてである。それは仲間の力であり,それを象徴的に表しているのが校訓である。先日ある文章を読んで,なるほどと感心した。関東のある高校を紹介した文章で,その高校は本校と同じく,より高い次元での文武両道を目指しているとあり,例えば,部活動の工夫のために朝・放課後・昼休みを使っての活動が多く,そのため端境の少ない時間も学習に有効活用しているという。また,複数の部活動が全国レベルで活躍しているため,「○○部はすごい。○○部は頑張っている」と尊敬し合う様子も自然に見られるという。感心した部分というのは,個の力をチームの力に変えるという部分だ。例えば,野球部にすごい投手が一人いても勝てない。しかし,その投手が打撃投手を務め,すごい投手が打てるチームになれば,勝利が近づく。学習においても同じで,多様な個性の集団の中で,より高次の切磋琢磨ができれば全体の力は向上する,といったものだった。誤解しないように言いたいが,チームに合わせるのは,高次の者が下げるということではない。君たちが勝負する全国のレベルを意識して,より向上を目指すということだ。そのためには,不屈の心構えが必要であり,自分の行動様式がきちんと出来る自律が必要ということだ。
    以前も話したが,君たちにもお願いしている自己評価の結果,毎年課題になっている自宅での学習習慣も含めて,しっかり見直してほしいと思う。今学期の成績面で満足している諸君には,満足の質を問いたい。全国を常に意識してほしい。
      実は,一学期は,かなり動的な学期である。文化祭や全校生徒でのクラスマッチ,最後の高校総体など,慌ただしく過ごして来たと思うが,時間のとれる夏だからこそ,立ち止まり振り返ることもしてほしい。

    明後日,年に一回の安陵会総会がある。毎年,数百名単位で名瀬に集まられるが,今学期既に5カ所ほど全国各地で安陵会が開かれ,関東や鹿児島では今春卒業した先輩も10人以上参加してくれた。この熱い同窓会の存在も,本校の特長の一つである。またこの夏も,一人の先輩の援助で海外研修に二年生一人,一年生一人が出かける。4回目になる研修で,ご厚意には感謝しきれない思いがあるが,我々が出来るのは,それぞれが生き様で今後に恩を返していくことだとも思う。
      また,今年度新たにJICAの短期研修に一年生4人が参加する。先程の例ではないが視野を広げる貴重な経験にしてほしい。

    一方で,大高の夏は体育祭を控えているから忙しいという諸君もいると思う。悔い無きよう精一杯取り組んだらいい。ただし,応援団の練習があるから,何もできなかったとだけは言わないように。百足の練習は頑張ったけど,疲れて何もできなかったと言わないように。

    一学期のまとめとして,外にも言うべきことは沢山あった気がするが,いずれにせよ途中経過である。現状肯定に立つか,現状否定に立つかはそれぞれだが,先程から述べているとおり,広い視野で,より自分とって厳しい尺度で,二学期からの成長に繋がる夏の過ごし方を期待したい。

    奄美の夏は暑い。しかし,気温を見る限り,全国ではもっと酷暑の所もある。炎天下で目的に向かって頑張っている高校生も多い。負けるな,大高生。

  • 2017年06月26日(月)

    全校朝礼講話〔よき集団,よき伝統〕

    おはようございます。この土日学校に用事で来てみると,こんなに静かな大高もあるのかなと思う様子だった。期末考査直前で,部活動もなく各自学習に取り組んでいたのだろうと思う。今年度は,進路指導部が部活動や学校行事と家庭学習のバランスについて,キャンペーンを張るなどの工夫をしてくれているが,直前まで努めてほしいと思う。
      学習は,必要に迫られ当然取り組んでいるものとして,今朝は6月に話を聞いた中で特に印象に残っていることを一つ紹介しようと思う。それは,教育実習生との話の中で言われたことで,挨拶についてだった。実習生の先輩はせいぜい皆さんとは5歳前後しか違わない。その中で,自分たちが高校生の頃と何か変わったところは無いか聞いた中で出てきたものが,挨拶だった。人は,概して自分たちの頃を美化しがちだが,当然それは差し引いての話としても考えさせられるものだった。私自身,今年度になって挨拶のことで感じたのは,4月の頃,教室を見て回る中で,一年生はまだ挨拶できてないよねという感じで,ただそれは,三年かけて大高生になる過程で身につくのだろうと思っていた。ただ実習生諸君は,自然と身につくのではなく,先輩がきちんと教えないと,身につかないのではと心配し,自分たちがきちんと言ってこなかったからかもと心配していた。リスペクトするという表現もあるが,畏敬するという表現もある。単純な縦社会を肯定しようという気は無いが,伝統の力の良い面でもあると思う。徒然草の表現ではないが,何事にも先達はあらまほしきものであり,自身がよき先達になるべき意識というのは自身を伸ばせてくれるものでもあると考える。挨拶だけでなく,例えば靴をきちんと並べておくなどの様々な場面での行動が,自然と出来るようになることを期待したい。あわせて,そういった集団になるべく,その中で自分の果たすべき役割にも考えを巡らせてほしい。
    今朝は,よき集団,伝統について話をした。その中で,生かせる諸君の今後を期待する。

  • 2017年06月06日(火)

    全校朝礼講話(文化祭への取り組み,学ぶことと考えること)

    H29.6.5全体朝礼講話
    おはようございます。今朝は,時間があるということで,少し長めに話します。大きく二つのことを話します。まずは一週間後に迫った文化祭。今週はその準備に皆さんの集中力を発揮してくれる週になるのだろうと思う。残り時間を考えると厳しいところもあるかと思うが,安陵魂の発揮しどころだと思う。関連して,常々思っていることに,学校の持つ役割がある。集団の特性を分類した有名な説に,テンニースという社会学者が唱えた,ゲマインシャフトとゲゼルシャフトという分類がある。簡単に言えば,人の集団には二種類あって,家族などの愛情集団と会社などの利益集団があるという考え方だ。では学校は,どちらなのか。仲良く人のつながりを学ぶのが主なら前者,学問を修める目的を重視するなら後者ということになるが,どちらが中心であるべきなのか。私は,二者択一には答えはないと思う。それぞれの側面を重視することで,それぞれが補完しながら機能して,共に目的に近づくべきだと考える。文化祭に一生懸命取り組むこと,協力・工夫すること,その後の成就感や反省も含めて,そのことが学問を修めることにつながるべきだと思う。今まさに佳境を迎えている三年生にとって最後のインターハイ予選も同様だと思う。そのこと自体の目的に向かうことで,他のことの充実を図るということ,また,先生方から十分指導されていると思うがその側面側面での切り替えをしっかりしていくことを私からも,再度お願いしたい。
      もう一つも意識の面での話。知ることと考えることの差異を意識しているだろうかという話。先週,中高連絡会があって,中学校の先生方が来校した。君たちの様子も気にかけていたが,質問の中でやはり意識しているのだなと思ったのが,大学入試制度の変革についての質問だった。現在の中三からセンター試験が変わるなどの大変革があることからだろうが,象徴的に言われるのが,センター試験での記述問題の導入である。これは,まさに,これまでの知識・技能から,思考・判断・表現力,主体的に関われる力を問おうとしている。全員立ってほしい。今日の4時頃どこで何をしているか,分かった人は座ってほしい。立っている人は周りの人と話してみて。正解は,この後係の先生からある。こういった授業形態をよく見かけるが,動きがあるからアクティブラーニングではなく,受け身一辺倒だったのが,能動的に変わるからアクティブだ。極論では,形態は,講義式でも,脳が活性化していれば,アクティブである。もっと言うと,求められる力が,知識だけでなく,どう判断しどう使うかに移っていくということだ。先程の「考える」ということはそういうことである。象徴的な例を一つ。AI(人工知能)の発展で,ロボットが大学合格を目指す取り組みがあったが,東大受験は無理として見直された。最も対応できたのは世界史だったそうだが,このことが,知識パターンの集積以外の力が求められていることの象徴的な例かも知れない。AIが「解無し」とする問いに対応する力が皆さんには求められていくということだろう。将来,AIに負けない人としての力を身につけていくということだろう。同時に忘れてはならないのは,そのための基礎となる知識の部分も定着させての話だということ。授業で能動化しても,定着させる基礎的な活動を忘れてはならないということだ。
    文化祭の取り組み,総体への取り組み,いずれにも表現を変えれば当てはまる話だと思う。「主体的な態度で,思考力・判断力・表現力を磨いていく,そのための知識・技能もしっかり身につけて。」今言われている学力とは,簡単に言えばそういうことになる。
    それぞれの凜とした姿で,文化祭での活躍も含めて,諸君の今後を期待する。

  • 2017年05月22日(月)

    5月22日全校朝礼講話

    おはようございます。今年度最初の中間考査も終え,それぞれ今週返される答案に一喜一憂することになります。何事も大切なのは振り返りです。単に結果を受け止めるのではなく,次に繋がる振り返りを実践に反映させて下さい。
      今朝は,教育実習生の紹介もあり,君たちの先輩がここに並んでいます。そこで,あえて職業について話をしたいと思います。私自身教師の道を選んでここにいるのですが,教育相談等での進路意識を先生方からお聞きすると,当然ですが,まだ漠然としている諸君が多いと思います。あるいは,現実とはやや乖離しているという諸君もいると思います。私は,そのこと自体は悪いとは思いません。大切なのは,そういったことを,成長する自分に合わせて柔軟に検討することだと思います。
    教師になりたい諸君もこの中には結構います。先生方も,大高OBが複数いますから,何年後かには,後輩たちに夢を語れる諸君もいるかもしれません。しかし,その前にそびえるハードルの高さは知っておく必要があります。例えば,鹿児島県の公立高校の教師になるとしたら,まずは免許の取れる大学等に行く必要があります。その過程で教育実習もありますが,所定の単位が取れれば卒業と同時に免許は取得出来ます。その後,採用試験を受ける必要があるのですが,これは決して易しいものではありません。昨年度鹿児島県の倍率は全国一高かったことが話題になりました。全校種・職種合計で10倍を超えるものですが,高校は17倍という倍率で,数学などは34倍にもなっています。言いたいのは,難しいから頑張れということではなくそのために諦めずに努力してきた人がほとんどだということです。以前は高校の採用者の7~8割が学校で期限付きを経験していたと思います。10年以上期限付きとして頑張って採用という人も中にはいましたし,制限年齢40歳で合格という人もいました。倍率を聞いて,無理だから諦めないことが大切ということです。さらに,採用されてからの変容がもっと大切ですが,これは,入学・進学も同様ですね。その仕事に就いて,どんな貢献ができるのか,それが喜びに繋がるし,正しい勤労観にも繋がるものと思います。
    今日は,中間考査後,更に未来に思いを馳せてほしいと思い話しました。皆さんのそれぞれの諦めない姿勢を期待します。

  • 2017年05月01日(月)

    県高校総体激励会

    おはようございます。各部の代表諸君が壇上に並んでくれています。いよいよ県総体に向けて,それぞれの激励ということですが,私からは二つだけ話します。一つは,あるスポーツ選手の話ですが,いち早く次期オリンピックの出場権を獲得したある選手の言葉です。皆さんとはあまり縁の無い女子アイスホッケーの代表チームGKの藤本那々という選手がいます。海外の選手とは比べようも無く小柄でしかもGKというポジションで有りながら,世界選手権でベストGKを受賞し,北米でプロ選手として活躍している。まさに彼女の活躍が,日本チームオリンピック出場権獲得の原動力だったようですが,そんな彼女が,活躍できる秘訣に答えていました。運動能力・反応力などどれも人より劣る,その中で,「努力力」だけは人よりあったのかなと答えていました。同じコースからのシュート防御を反復して対応力を身につけていくなど基本を徹底して力を付けた彼女の言葉は,我々凡人にも,応援になる言葉だと感じました。
    一つは,以前にも話したことで,「負けに不思議の負けなし(勝ちに不思議の勝ちあり)」ということです。皆さんが,目指してきたことに対しての結果につながるこれまでの日々を信じて,力をぶつけてきて下さい。努力は裏切らないはずです。また逆に,たとえ格上相手でも,不思議の勝ちを呼び込むこともあるのではと思います。高校スポーツの魅力は,同じ高校生が戦う中で起こるそういったドラマにあるものとも考えます。

    ともかく,応援してくれる周囲への感謝を忘れずに,全ての部活動の悔いの無い健闘を期待します。

  • 2017年04月24日(月)

    いじめ問題を考える週間に寄せて

    おはようございます。新学年が始まり10日余りが過ぎます。それぞれ,新しい環境に慣れ始めたところでしょうか。環境を英語で,エンバイロメント,サーカマスタンスといいますが,取り囲むというニュアンスがあります。今日は,囲む要因たる君たち一人一人に基本的なこととして忘れてはいけないことを二つ話します。
      一つは,違いを理解し,違いに耳を傾け,思いを馳せることを忘れないでほしいということです。800人の諸君がいれば,異なる考えがあるのは当たり前。同時に,感じ方が違うのも当たり前です。ところが,相手の感じ方まで思い巡らす力については,残念ながら個人差が大きいです。君たちに聞く,自分はこの10日間のうちに,誰かを傷つけたかもと思う人はどれくらいいますか。手を上げた諸君は心配ない,手を上げなかった諸君の中に,そういう芽がないか,考えてほしい。
    もう一つは,出会いを大切にしてほしいということ。茶道の一期一会の精神の話は有名ですが,一生に一度の出会いを大切にという意識は,平凡な日常の対話の中では忘れられがちです。だからこそ,後悔が残ることも多い。岡山のある大学教授の講話の中で,自身の少年時代のことを悔いた話がありました。今から70年前,広島で祖母と二人で住んでいた当時,ある日夜遅くに祖母が帰ってきた。食事を作るための野菜を郊外の親戚宅までもらいにいって,遅くなりそうだったので泊まるよう進められたのだが,孫の弁当を作らないといけないといい,断って帰ってきたとのこと。次の日,少年は郊外の工場へ学徒動員で働きに出かけ,その後原爆が投下され,帰宅すると祖母は骨になっていた。その時に言えなかったありがとうを今でも悔いているとのことでした。互いの感謝を口にすること,そこには,痛んだ心を和らげてくれる力もあるはず。
    今週は,「いじめ問題を考える週間」となっています。教育相談や家庭訪問も始まります。様々な問題について,一人で抱え込むことなく相談をしてほしい。年度当初にも話した通り,繋ぐ・繋がる意識を互いに持ってほしいと思います。
    今日は,情の面の話をしましたが,一番大切な「いのちを輝かす」ための日々を祈念して,今日の話とします。

  • 2017年04月10日(月)

    平成29年度始業式式辞

    新学期早々,嬉しいニュースが入ってきた。野球部のベスト4入りで,明日九州大会出場をかけて,神村学園と対戦する。入学式当日で応援には行けないが,悔いの無い戦いを期待する。終業式で話した通り,野球に限らず,文武両面とも,島の子たちの力で,県のレベル・全国のレベルと戦うところに醍醐味があると思う。また,野球部以外でもこの春休み自分を高める営みに取り組んでいた諸君も多くいた。空手部の全国大会出場や,東大の合宿所に宿泊しながら,関東のチームと戦ったラグビー部などの部活動,また新たな試みとして新三年生の希望者が,自習に連日熱心に取り組んでいた。こういった例以外にも,各人がそれぞれ学年のスタートとして,新3,2年生として自分の目標を再確認してこの場に集まっていることを期待する。
    4月は,出会いの場でもある。先ほど,新しく転入された先生方13人を紹介したが,明日入学する1年生を加えて,今年度は,生徒数,776人でスタートする。今,新しいクラスで整列しているが,出会いを大切に,結いの精神を活かした一年のスタートとしてほしい。
    スタートに際して,後ほど生徒会も今年のテーマを掲げてくれると思うが,私から皆さんで取り組んでほしいスローガンを「創る『伝統』」としたい。これまで,攻める伝統ということを口にしてきたが,更に踏み込んで,主体的に新たな歴史を刻むということで,新たな大高を創っていってほしいと思う。創るという字は創立の『創』をあてるが,その字自体には,「傷をつける」という意味がある。辛苦,辛酸を舐めずして創はありえないという意味もある。創立116年という歴史に誇りを持つと共に,新たに創りだしていく意識を互いに持ちながら,様々な活動に取り組んでもらいたいと思う。もっと端的に表現すれば,「大高維新」ということでもある。これまでの取り組みも評価しながら,創造に向かってほしい。

    鼓舞する抽象的な言葉とは別に,三つのことをお願いしたいと思う。前の校歌を見てほしい。一番から三番のそれぞれ中心付近に使われている語句で,「自律」「不屈」「抱負」ということだ。まず「自律」とは,自分のわがままな考えや怠惰な心と自分との戦いである。ドイツの哲学者カントは,人間の尊厳性としてこの自律を上げており,自律できることこそ自由であると言っている。校訓の精神,他者とのつながりを意識することをベースにしながら,自らを律する生活を心がけてほしい。また,そうして身につけた生活パターンは,次のステップにつながるものでもあると思う。次に「不屈」ということ。読んで字の如くだが,何にせよ,意識を行動に繋げていくためには,やるんだという気持ちが大切である。また屈さないためには,困難から目をそらさない強靱な心身を培う気持ちが大切である。新約聖書マタイ伝には「狭き門より入れ、滅にいたる門は大きく、その路は廣く、之より入る者おほし」と述べられているが,困難に立ち向かう不屈の気魄を意識してほしい。同時に折れないためには強さと共に柔らかさも必要である。柔軟に周囲の声に耳を貸すことも大切だ。
    最後の「抱負」ということ。夢を持つことの大切さは繰り返し述べてきたが,地に足を付けた夢であってほしいし,切り口を変えることで,夢へのアプローチも変わってくる。「どうせ無理」ではなく,「どうしたら可能」を模索してほしい。君たちの魅力は可能性だと考える。大高で,どう自分の可能性に向き合ってきたのか,だからこそ,今は何をなすべきなのかを常に自分に問いかけてほしい。

    今年度,変わることもいくつかある。新一年生が6クラスでスタートする。高校入試の倍率は,大島学区の中では最も高かったが,入学者数減のために1学級少ない状態でのスタートとなる。入学してくる諸君は君たち同様多くの可能性を持った諸君であり,1学級少なかった67期生が実績を修めてくれたこと同様期待をしている。また,教室配置については,職員室との距離等を考慮して,以前の階に戻した。様々な工夫をしてもらえればと思っている。
    学年の始めということで,広い話をしたが,離任式の際にも多くの先生方が触れ話してきた素晴らしき大高だ。しかし,それは与えられたものではなく一人一人の努力によって形作られてきたものであることは,間違いなく,「三年かけて大高生になる」その営みに一緒に当たれる喜びも大きなものだ。本校の強みである素晴らしい先生方も皆さんをしっかりサポートする。
    生徒諸君一人一人が,真の大高生になるための奮闘を祈念して,式辞とする。