全校朝礼講話

公開日 2018年02月13日(Tue)

金曜日は,30km遠行ご苦労様だった。先程表彰した皆さんだけでなく,それぞれが自己の努力に対してそれぞれで表彰をしてもらったらとも思う。路上での姿や給水場,そしてゴールなど,皆さんの姿を見ていると,それぞれ頑張ってくれていたのではと思うが,自分の取り組みに対してどう評価するかは,自分自身だと思うので,賞賛か叱咤激励か,それぞれ内面で行ったらいい。
日常では考えられない距離を走った後に残る感情で,よく連想する言葉が一つある。それは,JSミルの言う「満足した豚よりも不満足なソクラテス」というものだ。功利主義者である考え方で,社会全体の幸福は,社会全体で快楽の大きいことこそ善であるとする考え方を発展させたもので,求めるべき快楽には質的な差違があるということを象徴的に顕したことばだ。換言すると,豚に30km走らせても,疲労感しかないが,考える人間であれば,疲れたけど達成感を得られたといったものになるのではないかということだ。ミルは19世紀イギリスの思想家で女性の地位向上を図るなど社会全体の幸福増進の考え方の中で,このような思想を展開させているが,諸君の普段の生活でも,同様に考えられる場面があるのではないかと思う。様々な選択肢の中で,楽をとりがちな部分がある。逆に,これが役に立つのではと思い取り組んだが徒労に終わってしまうという例もある。しかし,本質の部分,ミルの言葉を借りれば,質的に高いものを求めていけば,そこで得られる喜びの大きさもより大きくなるということではないだろうか。以前,「楽」と「楽しさ」は大きく異なると話したことがあるが,「楽しさ」には,きつさ故にそれがより増すという部分もあると思う。もちろん,根底には,利己の,すなわち自分だけの幸福であってはならない。校訓の精神を忘れてはならないとも思う。それぞれが,体験したことを次に活かすのがなにより重要でもある。
さて,1,2年生だけで初めての全体朝礼になる。高校入試では,先週行われた推薦入試,現在出願受付中の一般入試も含めて,新入生の動きがいよいよ佳境に入る。この時間,前期日程に向けて,教室で学習している三年生も多い。二週間後に迫った前期試験で,力を発揮してくれるものと期待しているが,皆さんも改めてそれぞれ次年度のゼロ学期としての認識を持って,それぞれの取り組みに勤しんでほしい。
遠行の時とは異なる寒い朝だが,春もすぐそこに来ている証拠でもある。皆さんの今後の健闘を期待する。